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法定相続情報一覧図とは?戸籍の束を何度も提出しないための取得・活用方法 | 船橋相続相談センター

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法定相続情報一覧図とは?戸籍の束を何度も提出しないための取得・活用方法

2026年08月26日

カテゴリ:相続手続き

相続が始まると、預貯金の解約、不動産の名義変更、証券口座の移管、相続税申告など、複数の窓口で相続人を証明する必要があります。

そのたびに被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等の束を提出すると、書類の準備や返却待ちに時間がかかります。こうした負担を軽減するために利用できるのが「法定相続情報証明制度」です。

この記事では、法定相続情報一覧図の仕組み、取得手順、利用できる場面、注意点を実務的な順番で整理します。

法定相続情報一覧図とは

法定相続情報証明制度は、戸除籍謄本等と相続関係を一覧にした図を登記所へ提出し、登記官が内容を確認したうえで、認証文付きの一覧図の写しを交付する制度です。

一覧図には、主に次のような事項を記載します。

  • 被相続人の氏名、生年月日、死亡年月日、最後の住所、本籍
  • 法定相続人の氏名、生年月日、被相続人との続柄
  • 申出人となる相続人の情報

一度法務局で認証を受けると、戸籍謄本等の束に代えて一覧図の写しを複数の相続手続へ利用しやすくなります。

ただし、この一覧図が証明するのは、戸籍に基づく法定相続人の範囲です。各相続人がどの財産を取得するか、相続放棄をしたか、遺産分割協議が成立したかまで証明する書類ではありません。

利用するメリット

戸籍の束を繰り返し提出する負担を減らせる

相続手続の窓口が複数ある場合、戸籍謄本等の原本を一つの窓口へ提出して返却を待つと、次の手続へ進みにくくなることがあります。

法定相続情報一覧図の写しを必要部数取得しておけば、金融機関、不動産登記、証券会社等の手続を並行して進めやすくなります。ただし、実際に利用できるか、追加で必要な書類があるかは、各提出先へ事前に確認してください。

相続関係を一枚で確認しやすい

転籍や婚姻、養子縁組などがあると、戸籍の束だけでは家族関係を把握しにくい場合があります。一覧図に整理することで、相続人同士や関係専門家が相続関係を確認しやすくなります。

相続手続全体の整理にも役立つ

相続人を確定することは、遺産分割協議を始める前提です。国税庁も、相続税申告の準備では、まず戸籍謄本を取り寄せて相続人を確認し、遺言、遺産・債務、評価、遺産分割の順に整理することを案内しています。

一覧図の作成過程で戸籍を読み解くことは、相続人の見落としを防ぎ、その後の財産調査や遺産分割を進める土台になります。

取得までの3つの手順

1.必要な戸籍等を集める

まず、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本等を収集し、相続人を確認します。あわせて、被相続人の住民票の除票や戸籍の附票、相続人の現在戸籍などを準備します。

兄弟姉妹や甥・姪が相続人になる場合、先に亡くなった相続人がいる場合、養子縁組や転籍が複数ある場合などは、必要な戸籍の範囲が広がります。

2.法定相続情報一覧図を作成する

収集した戸籍に基づき、被相続人と法定相続人の関係を一覧図へ記載します。法務局は相続関係に応じた一覧図の様式と記載例を公開しています。

一覧図には相続する財産の内容や分け方は記載しません。また、遺産分割協議により財産を取得しない相続人も、戸籍上の法定相続人であれば原則として記載対象になります。

3.申出書と必要書類を法務局へ提出する

具体的な手続では、申出人の本人確認書類、戸除籍謄本等、作成した一覧図、申出書などを登記所へ提出します。申出ができるのは被相続人の相続人で、資格者代理人に手続を依頼することもできます。

申出先は、次のいずれかを管轄する登記所です。

  • 被相続人の死亡時の本籍地
  • 被相続人の最後の住所地
  • 申出人の住所地
  • 被相続人名義の不動産所在地

船橋市、習志野市、千葉市等の案件では、千葉地方法務局が公開する法定相続情報証明制度の管轄区域一覧で申出先を確認できます。窓口で手続案内を希望する場合は、予約が必要となることがあるため、事前確認が安心です。

どのような手続に利用できるか

法定相続情報一覧図の写しは、主に次のような手続で活用できます。

  • 不動産の相続登記
  • 預貯金の解約・名義変更
  • 有価証券の相続手続
  • 相続税申告
  • 自動車、保険金、年金等に関する一部の手続

相続税申告については、被相続人の全ての相続人を明らかにする戸籍謄本に代えて、一定の記載を備えた図形式の法定相続情報一覧図の写しを提出できるとされています。

ただし、子の続柄が実子・養子のいずれであるか分かる記載が必要で、被相続人に養子がいる場合には、その養子の戸籍謄本または抄本も必要とされています。税務上の具体的な添付書類は、税理士または税務署へ確認してください。

一覧図だけでは完了しない手続

法定相続情報一覧図は便利ですが、これ一枚ですべての相続手続が完了するわけではありません。

提出先や手続内容によって、次のような書類が別途必要になります。

  • 遺言書
  • 遺産分割協議書
  • 相続人の印鑑証明書
  • 金融機関所定の相続届
  • 不動産の固定資産評価証明書
  • 相続税申告に必要な財産・債務・特例関係資料
  • 相続放棄申述受理証明書

また、一覧図の写しに記載されるのは法定相続人であり、遺言による受遺者、相続分の譲渡、相続放棄などの結果がそのまま反映されるとは限りません。「一覧図に名前があるから財産を取得する」「名前がないから権利がない」と単純に判断しないことが重要です。

作成前に注意したいケース

数次相続が発生している

相続登記をしないまま次の相続が発生している場合、それぞれの相続について関係を整理する必要があります。戸籍の収集範囲と一覧図の作り方が複雑になるため、先に不動産の登記状況と死亡の順序を確認します。

相続人に未成年者や判断能力に不安のある人がいる

法定相続人を一覧にすることと、その人が有効に遺産分割協議へ参加できることは別問題です。利益相反がある未成年者の特別代理人、成年後見制度の利用などが必要になる場合があります。家庭裁判所や弁護士、司法書士等へ確認してください。

戸籍から確認できない事情がある

相続放棄、遺言、認知、廃除、外国籍の相続人、海外在住者などが関係する場合は、一覧図以外の書類や個別判断が必要になることがあります。

取得後に進めたい相続手続の順番

  1. 法定相続人と遺言書の有無を確定する
  2. 預貯金、不動産、有価証券、保険、負債等を調査する
  3. 財産目録を作成する
  4. 相続税申告の要否と期限を確認する
  5. 遺産分割の方針を相続人間で協議する
  6. 不動産の市場価格、収益性、維持費、修繕負担を確認する
  7. 遺産分割協議書を作成する
  8. 預貯金や不動産等の名義変更を進める

不動産については、評価額だけで分割を決めず、現在の市場価格、賃料収入、空室、修繕費、管理負担、売却した場合の手取り額も確認することが大切です。複数の不動産がある場合は、各物件を単独で見るだけでなく、相続財産全体の収益性と流動性から組み合わせを検討します。

まとめ|一覧図の取得を相続手続全体の整理につなげる

法定相続情報一覧図は、戸籍謄本等の束を複数の窓口へ繰り返し提出する負担を軽減し、相続手続を並行して進めやすくする制度です。

一方で、一覧図は遺産分割の内容、相続放棄、財産の帰属まで証明するものではありません。取得そのものを目的にせず、相続人調査、財産調査、遺産分割、相続税、不動産の評価と活用方針を一体で整理することが重要です。

船橋・津田沼相続相談センターでは、代表の高原が、特定行政書士として相続人や財産関係、遺産分割に必要な事項を整理し、必要に応じて税理士・司法書士等の専門家と連携して対応します。

また、宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、CPM(米国不動産経営管理士)、CCIM(米国不動産投資顧問資格)としての専門知識と、不動産会社経営および相続・不動産コンサルティングの実務経験を生かして対応します。単に現在の市場価格を査定するだけでなく、CPM・CCIMの知識と分析手法を用いて、収益性、投資価値、キャッシュフロー、修繕・管理負担、将来性などを分析し、保有、改善、資産の組み換え、売却の各選択肢を総合的に比較します。

船橋市、習志野市、千葉市周辺で、戸籍の収集や相続関係の整理、不動産を含む遺産分割の進め方にお悩みの方は、手続が複雑になる前に全体像を整理してみてはいかがでしょうか。

※本記事は一般的な制度と手続を説明するものです。税務は税理士・税務署、不動産登記は司法書士・法務局、紛争や個別の法律判断は弁護士、表示登記は土地家屋調査士等へご確認ください。

参考資料