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相続した建物が未登記だった場合|売却・解体前に確認する手続き | 船橋相続相談センター

相続した建物が未登記だった場合|売却・解体前に確認する手続き | 船橋相続相談センター

相続した建物が未登記だった場合|売却・解体前に確認する手続き

2026年09月17日

カテゴリ:相続不動産 空き家

親が所有していた実家や物置、離れを相続した後、法務局で調べても建物の登記が見つからないことがあります。

固定資産税の納税通知書に建物が記載されていても、法務局に登記されているとは限りません。市区町村の固定資産課税台帳と、法務局の不動産登記記録は別の制度だからです。

未登記のままでも建物は相続財産です。誰が取得するかを決め、保有、賃貸、改修、解体、売却のどれを選ぶかによって、必要な手続きと順序が変わります。

この記事では、相続した建物が未登記だった場合の確認方法と、判断を急ぐ前に整理したい事項を説明します。

まず「本当に未登記か」を確認する

登記が見つからないときは、すぐに未登記と断定せず、次の可能性を確認します。

  • 住居表示ではなく、土地の地番で検索する必要がある
  • 母屋は登記されているが、増築部分、離れ、車庫、物置だけ未登記である
  • 建物の所在地、家屋番号、種類、構造、床面積が現況と一致していない
  • 以前の建物の滅失登記がされず、古い登記だけが残っている
  • 自治体の課税台帳にはあるが、法務局には登記記録がない

法務局で土地と建物の登記事項証明書、公図、建物図面等を確認し、市区町村では固定資産税の納税通知書、課税明細書、名寄帳等を確認します。建築確認図面、工事請負契約書、領収書、火災保険証券、借入資料なども、建築時期と所有者を示す手掛かりになります。

固定資産税を払っていても登記済みとは限らない

未登記家屋であっても、市区町村が現地調査等により把握すれば固定資産税が課税されます。そのため「毎年、固定資産税を払っているから登記も済んでいる」とは判断できません。

また、相続で未登記家屋の所有者が変わった場合、自治体への名義変更届が必要となることがあります。未登記家屋については法務局での登記とは別に、市への届出が必要とされる場合があるため、建物所在地の市区町村へ書式と添付書類を確認しましょう。

船橋市、習志野市、千葉市でも、届出名称や必要書類は同一とは限りません。固定資産税の課税名義を変更しただけでは、法務局の登記をしたことにはならない点にも注意が必要です。

未登記建物の登記は原則として2段階

建物の登記は、大きく「表題部」と「権利部」に分かれます。未登記建物を相続した場合、通常は次の順序で検討します。

1.建物表題登記

表題登記は、建物の所在、家屋番号、種類、構造、床面積など、物理的な状況を登記記録に載せる手続きです。

不動産登記法第47条では、表題登記がない建物の所有権を取得した者に、取得の日から1か月以内の表題登記申請義務を定めています。相続した古い建物では建築資料が不足していることもあるため、現地調査と所有権を証する資料の収集が必要です。

建物表題登記や建物滅失登記は、土地家屋調査士へ確認する分野です。

2.所有権保存登記

表題登記の後、所有者の権利を権利部に登記するのが所有権保存登記です。相続人が申請する場合には、被相続人が建物を所有していたこと、相続関係、遺産分割の内容などを示す資料が必要になります。

法務局は不動産登記の申請書様式や記載例を公開していますが、古い未登記建物は資料の有無や取得経緯によって必要書類が変わります。所有権保存登記や相続による権利登記は、司法書士または管轄法務局へ確認してください。

遺産分割協議書では建物を特定する

未登記建物も遺産分割の対象です。誰が取得するかを相続人全員で決める場合、遺産分割協議書には、固定資産税課税明細書等を参照しながら、所在地、種類、構造、床面積などを記載して建物を特定します。

ただし、課税明細書と現況が一致しないことがあります。増築や一部取壊しが反映されていない場合は、現地と資料を照合した上で文言を決める必要があります。

相続人間に争いがある場合や、建物の所有者自体に争いがある場合は、行政書士業務の範囲を超えるため弁護士への相談が必要です。

未登記でも相続税の対象になる

建物が未登記だからといって、相続税の計算から外れるわけではありません。相続税における家屋は、原則として固定資産税評価額に1.0を乗じた金額で評価します。

ただし、賃貸中の建物、増築が課税台帳へ反映されていない建物、評価額が判明しない建物などは個別確認が必要です。相続税評価と市場価格は別の考え方であり、税務判断は税理士または税務署へ確認してください。

保有・賃貸・売却・解体で手続きが変わる

保有して住み続ける場合

当面住み続ける場合でも、相続人の世代が替わると所有関係の説明資料がさらに集めにくくなることがあります。課税台帳の名義変更だけで終わらせず、将来の承継と処分まで考えて登記を整えるか検討します。

耐震性、雨漏り、シロアリ、給排水設備、境界、越境、再建築の可否も確認し、今後の修繕負担を見積もります。

賃貸・改修して活用する場合

賃貸や大規模改修を考える場合は、登記状況に加えて、建築確認、検査済証、用途、接道、増築履歴、消防設備等も確認します。

登記を整えても、建築基準法上の問題や現況との不一致が自動的に解消されるわけではありません。必要に応じて建築士、行政の建築担当部署、消防へ確認します。

売却する場合

未登記建物がある土地の売却は不可能とは限りませんが、買主が所有関係を確認しにくく、住宅ローンや担保設定、引渡条件の調整に支障が出ることがあります。

売却前に登記を整えるのか、売主負担で解体して土地として引き渡すのか、現況のまま取引するのかを比較します。建物の市場価値、登記・測量・解体費、売却までの期間、税引後手取りを並べて判断することが大切です。

土地や既登記建物については、2024年4月1日から相続登記が義務化され、原則として取得を知った日から3年以内の申請が必要です。建物が完全に未登記の場合は、表題登記と所有権保存登記を含む手続きの順序を法務局、土地家屋調査士、司法書士へ確認してください。

解体する場合

近く解体する建物について、費用と時間をかけて表題登記・所有権保存登記をした後に滅失登記をするのが常に合理的とは限りません。一方、所有者の確認ができなければ、解体契約や相続人間の精算で問題が生じる可能性があります。

登記済み建物を解体した場合は、原則として建物滅失登記が必要です。未登記建物を解体した場合も、固定資産税の課税を止めるため、市区町村へ家屋滅失届等を提出する必要があります。登記を先に行うか、資料を整えて解体するかは、建物の状態と売却計画を踏まえて個別に決めます。

未登記建物を相続したときの確認リスト

  1. 土地の地番と建物の家屋番号を確認する
  2. 土地・建物の登記事項証明書、公図、建物図面等を取得する
  3. 固定資産税課税明細書、名寄帳、家屋台帳等を確認する
  4. 母屋、増築、離れ、車庫、物置を現地で照合する
  5. 建築確認図面、工事契約書、領収書、保険・借入資料を探す
  6. 被相続人の所有を示す資料と相続関係書類を整理する
  7. 遺産分割協議書で未登記建物を具体的に特定する
  8. 自治体へ課税台帳の名義変更届を確認する
  9. 保有、賃貸、改修、売却、解体の費用と期限を比較する
  10. 表題登記、所有権保存登記、滅失手続の順序を専門家へ確認する

まとめ|登記だけでなく建物の将来方針から逆算する

相続した建物が未登記だった場合は、固定資産税の課税資料だけで判断せず、法務局の登記記録、現況、建築資料、相続関係を照合することが出発点です。

その上で、表題登記と所有権保存登記を進めるのか、改修して使うのか、解体して土地を活用・売却するのかを比較します。登記手続きだけを先に決めるのではなく、建物の安全性、市場価値、修繕・管理負担、売却可能性、家族の希望から逆算すると判断しやすくなります。

船橋・津田沼相続相談センターでは、代表の高原が、特定行政書士として相続人や財産関係、遺産分割に必要な事項を整理し、必要に応じて税理士・司法書士等の専門家と連携して対応します。

また、宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、CPM(米国不動産経営管理士)、CCIM(米国不動産投資顧問)としての専門知識と、不動産会社経営および相続・不動産コンサルティングの実務経験を生かして対応します。単に現在の市場価格を査定するだけでなく、CPM・CCIMの知識と分析手法を用いて、建物の現況と法的・物理的な資料の不一致、収益性、修繕・管理負担、解体費、土地の活用可能性、売却手取りなどを分析し、保有、改善、活用、資産の組み換え、売却の各選択肢を総合的に比較します。

船橋市、習志野市、千葉市周辺で、相続した実家や古い建物が未登記と分かった方は、遺産分割や売却を進める前に、建物の資料と将来方針を整理してみてはいかがでしょうか。

※本記事は一般的な制度と検討方法を説明するものです。建物表題登記・滅失登記は土地家屋調査士または法務局、所有権保存登記・相続登記は司法書士または法務局、相続税等は税理士または税務署、建築法令は建築士・行政の担当部署、紛争性のある案件は弁護士へご確認ください。

参考資料